歪み真珠

美的感覚とは嫌悪の集積である。

スマホ脳を読んだ

どういうわけか胃腸風邪にかかってしまいダウンしていた。お腹を下し、3日ほど発熱が続いた。このご時世、発熱は緊張がはしる。症状からコロナではなさそうだと判断され、彼とのデートに明け暮れていた日々を埋め合わせるかのように長々と自宅で過ごしていた。
平熱が36℃前後と低いので、38℃まで出るとかなりしんどい。彼には「あなたがいないから寂しくてお熱出してしまったのよ」と無茶苦茶な甘え方をして困らせた。母にはたらみのゼリーとハーゲンダッツを買ってきて、と小学生のようなことを言った。年度末の仕事はほとんど手を付けることができず、新年度を迎えることになってしまった。ああ恐ろしや。楽しみにしていた予定も潰れてしまった。

彼が東京に行った翌日、祖母と神戸で天ぷらを食べた。阪急三宮は改修工事が終わったようで、4月のオープンを待つだけになっていた。天ぷらを食べたあとはアーケード街をくぐり、大丸へ向かった。阪神間で女子学生をやっていた母にとってあの辺りは庭のようだったらしく、震災以降すっかり変わってしまった街の様子をいつも残念そうに話している。母曰くあんなごみごみしたところではなく、昔ながらのパン屋さんや美味しい喫茶店の並ぶ素敵な街だったらしい。大丸の周辺だけは辺り一帯を大丸が買い取り、再開発しただけあって、いい街並みだと思う。祖母は大丸が好きなのだが、あの感覚は神戸大丸をよく利用する人だからだと思う。大阪に住んでいる私は、百貨店といえば阪急うめだで、大丸はイマイチという印象がある。ところがどうだ、神戸になると逆転だ。SOGOが阪急に変わったとはいえ、やはり大丸だろう。その街その街で暮らした人のそういう感覚の違いはとても面白く楽しい。こういう話はずっとしていたい。

さて、ずいぶん遠回りをしたが、題の通り、スマホ脳を読んだ。楳図かずおの有名な絵の如く、脳内で「ギャーッ」と叫びながら読みすすめた。スマホはマジのマジで脳の発達に障害を及ぼすかもしれませんよ、特に前頭葉が未発達で恐怖を感じにくい衝動的な傾向のあるティーンエージャーは気をつけてね、そもそも人はマルチタスクに向かないのにできた気になってそのマルチタスクを続けてると集中力がどんどんなくなってくよ、目の前にある小さな報酬に飛びつき、少し先の大きな報酬まで我慢できない傾向にあるよ(かの有名な幼児のマシュマロの実験)などなど恐ろしいお話がザクザクあった。中でも印象に残っているのは、スマホで写真を撮っているとその印象は脳には残りにくいという話。スマホそのものにも気を取られてしまうのが、カメラとの違い。また、脳はやらなきゃいけないことがたくさんあるから、写真に納める=忘れてもいいものと判断してしまうらしい。なるほどな。もちろん写真を見返して、ああこんなことしたなぁと振り返ったりするのは楽しい時間だと思う。バランスが大事なんだろうが、スマホのおかげでそのバランスをとるのにも自制心が必要とされる。
とかくスマホ触り過ぎてるかも…と思う人全員が読むといいんじゃないかと思う内容だった。
さっそく少し偏りすぎたスクリーンタイムを減らすことにした。前回更新したブログの7のリストの一番はじめにもスクリーンタイムを減らすことを書いたわけだし。とりあえず、インスタやTwitterなどのSNSの類はメイン画面から消した。これだけでも触る回数がぐっと減る。なんとなく手癖で触っているんだなと実感する。スクリーンタイムは2時間までとしようか。彼との電話の時間や友人とのオンライン飲み会は例外として。

と書きながらも注文していたスマホスタンドが届いた。さっそく取り付けてみると、とても便利そうだ。彼と電話をする回数が増えたのが購入の決めて。今日の電話で早速自慢する。