歪み真珠

美的感覚とは嫌悪の集積である。

4/24 曇りのち晴れ

緊急事態宣言が発令された。

政府への恨みつらみを上げればきりがないが、『オリンピックのため』を金科玉条に我慢を強いるわりに、お前たちはワクチンもろくに確保できないのかと怒りがこみ上げる。医療従事者へのワクチンすら十分確保できないなんて。どういう交渉をしたのだ。イスラエルに関しては莫大なお金が物を言ったと想像できるが、その他新興国にすら負けているワクチン接種率。オリンピックなんか無くなってしまえばいい。女王陛下のお気に入りでファ○クと連呼しながら廊下をどすどす歩くエマ・ストーンの気持ちでいる。

 

母とお着物を着て、フレンチを食べに行きましょうという約束は先延ばしになった。これで延期は三回目。一回目は昨年の緊急事態宣言で、二回目は大雨でキャンセルにしたのだ。着物を着るから気候が穏やかな晴れの日というしばりがあり、なかなか行けない。5月、緊急事態宣言が明けたらすぐに行こうね!と固く約束をしている。早く行けるといいのに。

昨日は午前中に婦人科に行き、図書館で予約していた本を受け取ってきた。婦人科へは生理を遅らせるピルをもらいに行った。これで二回目。二回目にもなると慣れたもので、問診票を見て「ほぉ、こんなことも書くのね」などと動揺することなく、淡々と採尿し、体重血圧を測定してもらい、女医さんに手短に説明…ここで少し問題が起きる。来院の時期が遅かったらしい。遅らせる期間を長めにとりたかったのだけど。するとそれだけ次回の出血量が増えてしんどくなってしまう。早めに来院していれば、生理を早めることができたのに…とのとこと。次に来る生理のしんどさとセックスしたいという欲望。迷う余地なく、欲望を優先させる。遠距離は性行為するのも一苦労なのだ。

図書館ではナムインスクさんの「実は、内向的な人間です」と、岩淵悦太郎の「悪文」、村上春樹の「1Q84」を借りた。今の図書館はよくできており、ネットで借りたい本を指定し、届いたら取りに行くシステムがあるのだ。通勤電車の中で、気になっていた本をちゃちゃっと検索して予約ができる。とても便利。感動して父に伝えると、「インターネットネイティブがいまさら何を」と呆れられた。これは非常に示唆に富む一件である。インターネットネイティブであっても、そこにアクセスする知恵や能力がなければ図書館の便利な使い方を知らないのである。ツールがあることと、それを使いこなすことはまた別物。

午後は母とお気に入りのカフェに行った。緑の多いお庭を眺めながらゆっくりとお茶ができる。シナモンがたっぷりかかったアップルパイを食べる。音楽のチョイスも好きだ。昨日はウェス・モンゴメリーがかかっていた。お店のそこかしこに葉陰がそよそよとなびき、それぞれのテーブルにはお庭から詰んだお花が生けてある。お花はコデマリとヤマブキ。ヤマブキは昔色鉛筆でみたあの山吹色そのものの色をしていた。夕暮れ時にはキャンドルが灯る。
カフェを後にして、これまた好きな飲み屋さんに駆け込みと称して一杯だけ飲みに行った。当然一杯だけで終わるわけはなく、結局夜遅くまで飲んでしまった。
お店を出た後、運悪く人の悪意に触れる出来事にあってしまい警察騒動にまでなった。実害はなかったけれど、好きなお店に寄り、気持ちよく帰宅したかっただけに残念だった。昨日はなんだか盛り沢山な一日だった。