歪み真珠

美的感覚とは嫌悪の集積である。

筋トレ

 

彼にこのブログを知られた。自分で嬉々として教えてしまったのだ。アルコールを摂取すると気が緩んでしまうのでいけない。私は相変わらずおまぬけだ。さらに愚行を重ねる。調子に乗ってスマホの画面をスクロールして、下書きも見せた。その下書きの一つ「3週間以上サボっていた筋トレをした」が見つかった。筋トレをしたら彼に報告するシステムになっているので、ウソだとバレる。「なぁにこれ?あなた筋トレやってないよね」と詰められる。目ざとい人だわ。筋トレをやってからこの下書きをアップするつもりだったの、と言っても「やったつもりになって日記を書かない」と一蹴されてしまった。

 

彼が筋トレをはじめたのが9月のはじめ。妙に筋トレやってるんだアピールをするので、不審に思い問い詰めると、セックスのときに頑張りたいからという答えが返ってきた。不純な動機にアホなのかしら…と心配になりながらも、かわいいな〜と思ってしまったのは惚れた弱み。友人らにこのことを話すとなんていい彼氏!と褒められていた、よかったね。

せっかく彼がやるのだからと思い、私もその筋トレムーブに便乗した。

ここで明暗が分かれる。私はとにかく怠け者だ。前述の通り3週間以上サボっている。一方彼はジムにも入会(!)し、着々と体がぶ厚くなってきている。もともとスポーツをやっていて、背も高く、肩幅が広い(大変好ましい)男だから筋肉がつくととても見栄えがよい。ラルフの白ニットが去年より似合う。ときどき彼の筋肉写真を見返してむふふとやっている。

 

サボりにサボった筋トレ。やっと先週の土曜日に腕立て伏せ10回とブルガリアンスクワット10回をやるはめになった。いつまでたってもやらない私に業を煮やした彼は強硬手段にでた。「筋トレを週に2回やってこないのなら、ホテルで筋トレをやらせる」と電話で宣告された。

執行日。「あなた私の二の腕好きって言ってたじゃん!女の子は柔らかい方がいいんだよ!」と叫びながら、布団にしがみつき、抵抗した。しかし、こうなったら頑固な彼には勝てない。もっと前傾姿勢をとって!手の向きはこっち!お腹を下げない!とビシバシやられた。彼に支えてもらって、声をかけてもらいながらする筋トレは思いのほかよかった。私の専属トレーナーになってほしい。またよろしくお願いします。