歪み真珠

美的感覚とは嫌悪の集積である。

My sweet Oxytocin

 

この土日はコロナだからと口実をつけて、彼の腕の中でごろりんごろりんするデートをしていた。好きな人の筋肉はいいですねぇ……遅ればせながら鬼滅の刃を見はじめた。鬼滅の刃は好きな人の腕の中で見るのが一番いいのです。このアニメはufotableというアクションが上手なアニメ制作会社が手掛けたから人気が出たんだと思うよ、と教えてくれた。少しのことにも先達はあらまほしき事なり。アニメに飽きて、構ってほしいときは、振り返ってキスしてもらう。すると必ずスマホを放ってぎゅうぎゅうしてくれる。夕方には彼がこしらえてくれたお料理とお酒を飲み、ホテルに向かった。帰り道、疲れたのだろうか、彼が珍しくたい焼きを食べたいと言った。たい焼きなんて何年ぶりだろうか。二人で半分こした。あんこがみっちり詰まってそうな頭側をさり気なく取り、彼には生地が多そうな尻尾側を渡した。私のこういった小賢しい企みはすぐにバレる。ホームでたい焼きを食べている自分たちを可愛く思い、「これ青春っぽくない?」と無邪気な発言をしたが、軽くあしらわれた。青春っぽいよねぇ。

私の惚気を聞いてくれるのは8割ママンだ。残り2割は恋人本人に恋人の惚気話をしている。恋人の話しかしない女は嫌がられるというが、母親ならば問題はない、思う存分やれる。やや迷惑そうな顔をされるときもあるけれど、グチも聞いてくれるし、アドバイスもくれる。調子にのってうっかりエッチなことまで惚気てしまい、「わたしあなたの親よ」と釘をさされるときもある。うーん、息を吐くように口からお惚気話が零れ落ちてしまう。職場では社会性の糸と理性の針で口を縫い付けている。母以外に思いのままに惚気けられる場所がここ、ブログ。それでも羞恥心のおかげで遠慮してしまう。ええそうです、これでも遠慮しているのです。

彼との一等好きなデートはピクニック、アルコール付き!午前中に待ち合わせ。ピクニックボックスを持ってホテルに行き、1つ目の欲望を満たす。気力を出して、公園に移動。コンビニでお酒を冷やす氷を買う。シートをひいたらば、彼が作ってくれたお料理とビール、私が持ってきたワインをあけ、芝生の上でごろんごろんする。親子連れやカップル、ボーイスカウトのグループなんかを眺めて緑の中で好きな人とお酒とご飯を食べる。心と体が満たされている状態なので、神の祝福を受けたようなおめでたいお気持ちになれる。八百万の神に感謝を込めて接吻したい。マザー・テレサナイチンゲールのような慈愛の心が芽生える。幸福に必要なものは太陽と緑、好きな人と美味しいご飯とアルコールのようだ。気取ったレストランでコース料理を食べるのも好きだけど。このデートが何より気持ちいい。ストーリーにピクニックデートの写真をのせたとき、下のうさちゃんのスタンプを貼りつけた。イラストを見た彼にこのうさぎあなたらしいねと言われた。いいじゃん、かわいい。

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彼はお料理がとっても上手なのでいつも胃袋がお世話になっている。夕食なしのお宿をとったときは、おつまみ作ったよとコノシロのお鮨や巻物を用意してくれていた。巻物って難しいと思うんだけど。お世話になっているのは私の胃袋だけではない、私の家族もだ。我が家にも綺麗に捌いたお刺身やお鮨を握ってきてくれる。今年の夏にはとうとう鱧を捌けるようになった。この冬はお取り寄せした立派なカンパチをわけてくれる模様。確証を得ていないが勝手にそのつもりでウキウキしている。そうそう、彼は天ぷらも上手なのだ。彼の誕生日には天ぷらを揚げて振る舞ってくれた。彼の誕生日、だけど彼が作ってくれた。美味しかった。
手先が器用な人だ。それに失敗の原因を見つけて次に活かすことができる賢さもある。だからだろうか、あちらの方も大変お上手だ。はい、お世話になっております。

最近気づいたことだが、彼は笑うと目尻にキュッと綺麗な皺がよる。あれ大好き。