歪み真珠

美的感覚とは嫌悪の集積である。

TOKYO 2021「10のリスト」を作ろうとしたけど、意志薄弱人間にはムリそうだったので、7のリストになった

 


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好きな人が東京に行った。9:33発の新幹線。遠距離になる。見送りのときは案の定めそめそ泣いた。けれど、思っていたよりも泣かなかった。すぐにべそをかく私にしては。半年も前からめそめそしていたわりには。彼も目を潤ませて少し泣いていた。たぶんそのおかげ。なぁんだおあいこじゃんと思ったのだ。何がおあいこかはわからないけど。

彼を見送ったあと、ヤケになって朝の10時から赤ワインを飲んでいる。空きっ腹に入れているので、よく酔いが周りそうだ。この後は友人に会う。彼と共通の友だちでよく三人で飲んでいた仲だ。1ヶ月以上前から、「彼を見送って悲しみにくれている私をひとりにしないで!」と悲劇のヒロインぶった台詞を口走っていた。二人でお洋服を見る。

アルコールといえば、開高健吉行淳之介の対談「美酒について」を読み返したくなったな。午前中からお腹にキューっと染みる赤ワインを飲んでいるせいか、脳のアルコール大皮質(そんなものはない)が刺激されたのかしらん。二人の対談はとても可笑しく、遠藤周作も彼らの手にかかればオカシナオヤジになる。一時期、開高健にハマり、ずっと読んでいたな。また読み返そうかしら。私は開高健の下品なのに卑しくないところが好きだ。そして彼は下品だが、決して品がないわけではない。
塩野七生チャーチル評が好きだ。そこで上品とか下品とか品格とかについて触れている。今手元にないので正確には思い出せないが、だいたい以下のようなことを書いていたように思う。

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品がなくとも格がある。決して上品ではない、けれど格がある。品格ではなく、格。
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彼女の別のエッセーにもこれと似た話がある。
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その人はパンを赤ワインに浸して食べていた。他にもいわゆるマナーとしてはバツがつくことをしていたが、彼は不思議に優雅だった。
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私はこの二つの話が大好きだ。私が「ほんとうに育ちのいい人がナンチャラ」の類が嫌いなのはこの辺に理由がありそう。


【恋人と離れて暮らす私のための10のリスト】
これを書きたくて、カフェに来たのだ。そうそう忘れていた。たまに読んでいるブログの女性はパートナーと海外の遠距離だ。その人も総合職で働いているから、パートナーについていくことなく、いわゆる別居婚という状態らしい。日本と海外での別居婚をするにあたり、10のリストを作ったとのこと。わたしも真似してみる。

1. 思考のお散歩をこれまで以上に楽しむ(スクリータイムを減らす)
ちょうど話題の「スマホ脳」を読んでいるところ。ぼんやりと読んだ本や見た映画、彼と過ごしたとき、今夜の夕ご飯、持っているジュエリーの美しさ、今後のお買い物計画などなど。いろいろな経験を濾過して内面化すること、未来のことを思うこと。こういった時間をこれまで以上に大切にしたい。

2. 起床就寝1時間前にスマホをいじらない

3. 姿勢に気を使うこと
姿勢が悪いと母によく言われる。美女は須く姿勢がいいものである。

4. 週に一度お金の勉強をすること
彼が早くも簿記の試験を受けるらしい。わたしもちゃんとやること。

5.トレーニングを継続すること
レーニングをサボったら彼にすぐバレてしまうということがよーくわかった。着々と逞しくかっこよくなる彼に呆れられないよう、とにかく継続すること。(これ、以前にも書いたな。わたくしの意志の弱さたるや)

6. お金を大事にすること
遠距離、それは交通費の重課金から免れないもの。

7. 時々彼にお手紙を書き送ること

ここまで書き、飽きてくる。そもそも10もやれるわけがない。ということで、私のリストは7までです。ラッキーセブン。つまるところ、『自分が良いと思う暮らしをすること』に尽きる。

母から「あなたたちの遠距離はスパイス」「遠距離プレイとも言う」とラインが来て笑ってしまう。